たばこには、200種類以上の有害物質が含まれ、発がん物質は50種類以上と言われています。
喫煙により、口腔がん、肺がん、食道がんなどのがんのリスクが増え、また肺気腫、虚血性心疾患、脳血管疾患のリスクも増えます。
喫煙者のみならず、ご家族にも健康被害をもたらします。
たばこには、麻薬にも劣らない強い依存性をもつニコチンが含まれ、これが「たばこを止められない」原因になっています。
この状態を「ニコチン依存症」と言います。
「ニコチン依存症」かどうかを判定するテストにTDS( = Tobacco Dependence Screener)(下記からダウンロードできます)があります。
5点以上で「ニコチン依存症」となります。
「ニコチン依存症」と診断され、強く禁煙を希望する方で、下記の要件を満たせば、禁煙治療が健康保険の適応となります。
■実際の治療
ニコチンを含まない内服薬(バレニクリン(チャンピックス®))、ニコチンを含む貼り薬(ニコチンパッチ(ニコチネルTTS®))とガム(ニコチンガム)がありますが、ニコチンガムは保険適用ではありません。
当院では主にニコチンを含まない内服薬(バレニクリン(チャンピックス®))による治療を行っています。
治療期間は12週間で、計5回の診察となります。
診察時には息に含まれる一酸化炭素の濃度を測定して、禁煙の実行を確認します。
■禁煙成功後の効果
数か月後:咳、痰、喘鳴などの症状が改善傾向に。
1年後:軽症・中等度のCOPD例の肺機能が改善傾向に。
2-4年後:狭心症、心筋梗塞など虚血性心疾患や脳梗塞のリスクが減少
5-9年後:肺がんのリスクが減少
10-15年後:様々な病気にかかるリスクが非喫煙者のレベルに近づく